中央社会保険医療協議会総会は2月2日、2022年度診療報酬改定について、個別改定項目案と答申書附帯意見案を了承した。改定を巡る議論はこれで終了となり、次回の総会で後藤茂之厚生労働大臣への答申が行われる見通しとなった。
了承された個別改定項目案は、公益裁定となった「重症度、医療・看護必要度(看護必要度)」の評価項目や該当患者割合の基準値の見直し、オンライン診療における算定要件や施設基準の考え方を踏まえ、修正が加えられた。
それによると、公益裁定の際、「急性期一般入院基本料」と同様の考え方で適切に設定する方針が確認された、他の入院料や加算における看護必要度の該当患者割合のうち、看護配置7対1の「特定機能病院入院基本料」や、「看護必要度加算1~3」などの基準値は、現行のままでの据え置きが決定。
これに対して、「総合入院体制加算」、「看護補助加算1」、「地域包括ケア病棟入院料」などは、基準値を引き下げることになった。看護必要度Ⅰで評価する場合について、見直し後の基準値をみると、▶総合入院体制加算1および2:33%、▶総合入院体制加算3:30%、▶看護補助加算:5%、▶地域包括ケア病棟入院料:12%。看護必要度Ⅱの場合は、▶総合入院体制加算1および2:30%、▶総合入院体制加算3:27%、▶看護補助加算:4%、▶地域包括ケア病棟入院料:8%―となる。
オンライン診療も公益裁定の内容を踏まえ、初診や再診をオンラインで行った場合の「初診料」、「再診料」、「外来診療料」の施設基準に、▶対面診療を提供できる体制を有する、▶患者の状況によって対応することが困難な場合には、他の医療機関と連携して対応できる体制を有する―との項目が追加された。
一方、答申書附帯意見案では、各種入院料の見直しや、かかりつけ医機能の評価、オンライン診療などについて、22年度改定の影響を検証するための調査の実施を要請した。また、24年度改定に向けた検討事項として、▶急性期の入院医療において患者をより適切に評価できる指標や測定方法、▶外来医療の機能分化・強化・連携の推進、▶リフィル処方箋の適切な運用と活用策、▶オンライン資格確認システムを通じた患者情報の活用についての評価のあり方、▶明細書の無料発行を促進するための取り組み―などを挙げた。