脊椎椎体骨折は機能解剖学的に胸腰椎移行部に発生することが多いが,骨粗鬆症や受傷機転によっていずれの高位にも起こりうる。安定型骨折はコルセットなどの外固定で治療が可能であるが,不安定な骨折や変形が強い例,麻痺がある場合は手術治療を考慮する。
単純X線,CT,MRI等の画像検査で骨折の部位や程度,靱帯損傷の有無,脱臼の有無を判定する。次に,麻痺の程度および治療に影響を及ぼす併存症の有無を評価する。これらの要素をスコア化したthoracolumbar AOSpine injury score(TL AOSIS)が,手術の要否判定や術式決定に有用である1)。
TL AOSIS分類を用いて0~3点は保存的治療,4~5点は保存的治療あるいは手術治療,6点以上は脊椎固定術を適応する。
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