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先生は、俺を見捨てるのか(尾花正義)[プラタナス]

No.5106 (2022年03月05日発行) P.3

尾花正義 (東京都保健医療公社荏原病院リハビリテーション科部長)

登録日: 2022-03-05

最終更新日: 2022-03-02

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  • これは、私が所属していた大学医局から派遣されていた病院のリハビリテーション科外来で、来月私が転勤になることを告げた際に、患者Wさんから発せられた一言でした。

    Wさんは、当時50歳代の男性で、胸部大動脈瘤術後に脊髄梗塞(前脊髄動脈症候群)をきたし、対麻痺となり、私がリハビリテーション科の主治医として、入院・外来のリハビリテーション治療に関わっていた患者でした。

    写真は当時のWさんの脊髄MRI(magnetic resonance imaging)検査の所見です。写真でもわかるように、矢状断・水平断ともに、第11胸髄レベルに梗塞病変(低信号領域)を認めています。

    当時、私はリハビリテーション科専門医の資格を取得し、所属大学医局からの派遣先の病院で、たった1人で入院・外来患者のリハビリテーション診療を開始したばかりの頃でした。所属大学医局の方針で、短い時は半年、長くても1年で、派遣先の病院を転々と変わっていました。そのため、この言葉を聞くまでは、私自身にとって患者の主治医とは、その患者を自分自身が担当する間の医師の役割としか考えていませんでした。

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