日本医学会長などとしてわが国の医学・医療の発展に多大な貢献をしてきた髙久史麿氏(たかく・ふみまろ 公益社団法人地域医療振興協会会長、自治医大名誉学長、国立国際医療研究センター名誉総長、東大名誉教授)が3月24日、死去した。享年91歳。
髙久氏は1931年韓国・釜山生まれ。54年東大医学部卒業。72年自治医大内科教授、82年東大医学部第3内科教授、88年~90年東大医学部長、90年国立病院医療センター院長(東大第3内科教授兼任)、93年国立国際医療センター総長。96年~2012年自治医大学長、04年~17年日本医学会会長。
東大第3内科では長年の慣例を打ち破る人事制度改革や分子生物学の導入などに力を注ぐ。専門の血液学の研究では世界的な業績を数多く残した。1971年ベルツ賞第1位、94年紫綬褒章、2012年瑞宝大綬章。
会頭を務めた1999年4月の第25回日本医学会総会では、メインテーマとして「社会とともにあゆむ医学─開かれた医療の世紀へ」を掲げ、20世紀の医学・医療を総括し21世紀を展望。高度先進医療の医療現場への導入、生活習慣病の予防・治療などを課題として強調した。
臨床研修制度のあり方等に関する検討会、専門医の在り方に関する検討会、医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議など、厚生労働省・文部科学省の審議会・検討会の部会長・座長も多数務め、医師養成システムや医療提供体制の構築をリードした。
1986年から2012年まで特集「臨床医学の展望─診断および治療上の進歩」の監修(内科系)を務めるなど日本医事新報との関わりも深かった。
通夜は4月2日(土)17時~20時に東京・練馬区の江古田斎場で行い、告別式は近親者のみで行う。地域医療振興協会によると、後日「お別れの会」を行う予定。
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