7月の参議院議員選挙に自民党から日本医師連盟組織内候補として立候補し、当選を果たした。父は郵政相などを務めた自見庄三郎氏。30年にわたる両親の苦労を目の当たりにし、政治の道へは進まないと決めていたが、当直中に受けた1本の電話が運命を変えた。電話の相手は日本にホームステイしている中学生の娘を持つ米国人の母親。国際電話で腹痛を訴える娘の体調を案じ、電話をかけてきたという。「水分摂取の方法など簡単なアドバイスをすると『自分の加入している医療保険では医師と直接こんな話はできない。日本は何て素敵な国なの。God bless Japan!』と泣きながらお礼を言われ、国民皆保険制度がないというのはこういうことなのかと衝撃を受けました」
選挙戦では皆保険堅持と発展を政策の柱に据えた。自見さんが重要視するのは公衆衛生学的視点を踏まえた予防の徹底とかかりつけ医の役割強化。「例えばかかりつけ医に3年以上通って高血圧や糖尿病の数値が基準内に抑えられた場合に、かかりつけ医にインセンティブが付与される仕組みの導入などについて、効果を検証しながら進めていく必要があると思います」
残り436文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する