好酸球性中耳炎は再発性,難治性の中耳炎のひとつであり,統計では約6%が聾となることが報告されたが,最近は疾患の概念が広まり,早期から治療される症例も増えてきた。気管支喘息や鼻茸を伴う副鼻腔炎を合併することが多く,このような患者が耳閉感や難聴を訴えた場合は積極的に好酸球性中耳炎を疑う必要がある。
2011年に診断基準が提唱された(表)1)。大項目は中耳貯留液に好酸球を証明することであり,中耳貯留液のスメアで好酸球を同定する。粘稠な場合はホルマリンで固定し,病理検査を行うことも有効である。
治療のポイントは,①好酸球炎症の制御,②感染のコントロール,の2つである。
①に対しては副腎皮質ステロイドが著効するが,長期にわたる全身投与は有害事象が懸念されるため,局所投与が望ましい。
②好酸球性副鼻腔炎,気管支喘息を合併している症例ではその治療も重要である。
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