厚生労働省は6月22日、「令和3年社会医療診療行為別統計」の結果を公表した。レセプト件数は新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた前回調査から約17%増加。1件当たり点数の前年比も入院は2.0%増、入院外は0.7%増となった。
21年6月審査分の診療報酬・調剤報酬明細書のうち、「レセプト情報・特定健診等情報データベース」に蓄積されているものを集計。20年統計と比べると、レセプト件数(前年比16.5%増)、日数(13.8%増)、点数(12.6%増)とも増加した。
結果をみると、医科入院の1件当たり点数は5万8233.9点(前年比2.0%増)、1日当たり点数は3710.2点(7.6%増)。診療行為別の1日当たり点数は「入院料等」1372.1点(構成割合37.0%)、「診断群分類による包括評価等」1093.4点(29.5%)、「手術」641.0点(17.3%)などの順に高い。1件当たり日数は15.70日(前年比0.86日減)だった。
医科入院外の1件当たり点数は1455.0点(前年比0.7%増)、1日当たり点数は987.8点(0.9%増)で、入院に比べると増加幅が小さい。診療行為別の1日当たり点数で最も高いのは「検査」の186.9点(構成比18.9%)。前年は「投薬」と「注射」が続いたが、21年は「初・再診」が前年比で8.0%増と大きく伸びたことを背景に、「初・再診」132.4点(13.4%)、「投薬」130.0点(13.2%)、「注射」122.3点(12.4%)の順に入れ替わった。1件当たり日数はほぼ横ばいの1.47日(前年比0.01日減)だった。
医科入院を一般、後期医療別でみると、1件当たり点数は一般医療5万5776.9点、後期医療6万580.1点。1日当たり点数は一般医療4352.4点、後期医療3284.2点となった。年齢階級別では「0~14歳」(6660.8点)が最も高く、「75歳以上」(3321.2点)が最も低い。診療行為別の構成割合をみると、後期医療は一般医療に比べて「入院料等」、「リハビリテーション」の構成割合が高く、「手術」、「診断群分類による包括評価等」が低かった。
医科入院外の1件当たり点数は、一般医療1341.3点、後期医療1742.0点となった。1日当たり点数は一般医療956.7点、後期医療1054.5点で、年齢階級別では「65~74歳」(1133.4点)が最も高く、「0~14歳」(687.9点)が最も低い。診療行為別の構成割合では、後期医療は一般医療に比べて「在宅医療」の割合が高く、「初・再診」が低い傾向がみられた。