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急性骨髄性白血病の寛解導入療法時にフルオロキノロン系抗菌薬の予防投与は必要か?

No.5125 (2022年07月16日発行) P.55

藤田浩之 (済生会横浜市南部病院血液内科診療部長/ 主任部長)

冲中敬二 (国立がん研究センター東病院感染症科科長)

登録日: 2022-07-14

最終更新日: 2022-07-12

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  • 高度の好中球減少状態における抗菌薬予防投与は発熱や菌血症の発症頻度を有意に減らすことが知られている一方で,耐性菌の増加が社会的問題になっています。
    国内ガイドラインでは,真に必要な高リスク群に絞っての予防投与が推奨されていますが,反対する意見もあります。
    血液内科医でもある国立がん研究センター東病院・冲中敬二先生にご見解をお願いします。

    【質問者】

    藤田浩之 済生会横浜市南部病院血液内科診療部長/ 主任部長


    【回答】

     【一律の予防投与実施には議論があり,予防投与の利点/欠点を理解した上で投与の是非を検討する】

    2005年に報告された発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)の高リスク患者(好中球数1000/μL未満が7日を超える)へのレボフロキサシン予防投与の研究では,発熱エピソードを−20%(95%CI:−0.26~-0.14)と減少させたものの死亡は減少させませんでした。急性白血病患者(327人,うち寛解/再寛解導入療法が228人)に限定しても発熱エピソードは−19%(95%CI:-0.27〜-0.10)と減少させたものの死亡は-2%(95%CI:-0.07〜0.02)と有意な減少を示しませんでした1)。しかし,1973〜2004年に報告されたフルオロキノロン(FQ)予防投与研究のメタ解析では死亡も減少させることが示されました〔相対リスク0.52(95%CI:0.35〜0.77)〕2)

    このようなデータをもとに日本臨床腫瘍学会のFN診療ガイドライン3)や米国臨床腫瘍学会のガイドライン4)では,好中球数100/μL未満が7日を超える抗癌剤治療患者へのFQの予防投与が推奨されています。

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