No.4745 (2015年04月04日発行) P.74
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-02-21
早いもので『ええ加減でいきまっせ!』も、(たぶん)ご好評のうちに1周年を迎えることができました。これも、ひとえに読者の皆さま方のおかげと心から感謝いたしております。
正直なところ、最初に連載エッセイのお話をいただいた時、できるやろうかという不安が先に募った。1000字程度なので短いとはいえ、毎週である。
畏友、同級生にしてミステリー作家の久坂部羊に聞くと、「しばらく書いたらネタがなくなってきて、私生活のこととか、果ては家族のことまで書かなければならなくなって、家庭不和の元になるで」と脅かされた。知り合いの編集者の人に聞いたら、「センセ、そら1年も書いたら鍛えられるからええんちゃいますかぁ」という。実に無責任な返事ばかり。う〜ん、どうするか。とりあえず、すぐにでも書けそうなテーマを書き出してみたら、20ほどあった。
毎週だが月末の特集号はお休みだったので、年に40回。半分もストックがありゃあ、なんとかなるだろう。いざとなりゃ、読者の皆さんにテーマを考えてもらえばええわ、と、タイトル同様、じつにええ加減な感じでお受けすることにした。
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