政府は7月29日の閣議で、「令和5年度(2023年度)予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」を了解した。年金・医療等の社会保障費は、22年度の当初予算額に高齢化等に伴う、いわゆる自然増として5600億円を加算した範囲内での要求を認める。ただし、増加額については、「新経済・財政再生計画 改革工程表」に沿った改革の着実な実行を含む合理化・効率化に最大限取り組み、高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる努力を促した。
岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」の実現に向け、「重要政策推進枠」を設定。人への投資、科学技術・イノベーションへの投資、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資などへの予算の重点化を図る。政策によって柔軟に増減できる「裁量的経費」について1割の削減を求める一方、「重要政策推進枠」では裁量的経費の削減額の3倍までの要求を可能とする。
新型コロナウイルス感染症対策や原油価格・物価高騰対策などの重要政策については、「重要政策推進枠」の活用や概算要求段階では金額を示さない「事項要求」を認め、具体的な検討は年末の予算編成過程で行うこととする。各省庁からの概算要求の提出期限は8月末日。