まず発症経緯を聴取し,聴力障害の原因検索を優先する。耳痛,めまい等を伴う場合は対症療法が必要だが,聴力障害に対する緊急性は低く,翌日以降の専門医受診で対応可能なことが多い。
患者背景:年齢,性別,生活環境,聴力障害既往の有無は診断のヒントになる。
発症経緯:いつ,どこで,何をしているときに発症したかを聴取する。
持続時間:症状が持続的か,断続的か,一過性かを聴取する。
合併症状:聴力障害のほかに,耳痛,めまい,耳鳴,耳閉感,鼻炎の症状がないかを聴取する。
中耳炎による発熱,めまい,嘔気を伴う場合の血圧上昇を除き,バイタルサインには問題がないことが多い。
外耳および鼓膜の所見が最重要である。鼓膜の観察には拡大耳鏡を使用するとよい。内耳の観察は不可能である。外耳疾患や耳垢栓塞,急性中耳炎の診断は容易である。めまいを伴う場合は眼振所見(「めまい」の稿を参照)も診断の参考になる。
聴力低下に対する緊急性は低く,翌日以降の耳鼻科受診で対応可能なことが多い。耳痛,めまい等を伴う場合は対症療法を行う。
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