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コグニサイズの取り組み 【有酸素運動と知的活動との組み合わせが認知症予防に最も期待されている】

No.4824 (2016年10月08日発行) P.45

遠藤英俊 (国立長寿医療研究センター内科総合診療部部長)

登録日: 2016-10-07

最終更新日: 2016-10-11

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認知症予防の第一歩は生活習慣病の予防であるが,有酸素運動の有用性が多くの論文によって示されている。

認知症予防に最も期待されているのが「コグニサイズ」で,有酸素運動と知的活動を組み合わせた複合型の運動である。軽度認知障害(MCI)の集団を対象に週1回介入した二重盲検試験を行ったところ,一部の認知機能に改善がみられ,対照群との間で有意差がみられたことをSuzukiら1)が報告している(図)。現時点では認知症を発症しないというデータはなく,あくまでも地域在住のMCIの人の認知機能評価が1年後に改善し,対照群と比べて有意差があったというデータである。

しかし,認知機能が改善するという事実は,少なくとも認知症の発症を遅延させる効果が期待できる。このデータをもとに,さらに継続した前向き研究が必要であるが,地域ではコグニサイズリーダーを養成し,地域住民が普段から運動を習慣づけることは有意義である。今後は,地域での取り組みの体制づくりが課題であり,認知症の発症を少しでも遅らせる可能性が示されている。

【文献】

1) Suzuki T, et al:BMC Neurol. 2012;12:128.

【解説】

遠藤英俊

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