【質問者】
根本俊光 成田赤十字病院耳鼻咽喉科第一部長
加齢に伴う誤嚥性肺炎は増加の一途をたどっており,高齢者治療では重要なポイントとなっています。嚥下機能の低下した高齢者では,若年者に行うようなリハビリテーションは安定して行うことが難しく,どちらかというと誤嚥を防ぐ目的での食形態や姿勢の調整が治療の中心になることが多いです。
食事内容に関しては日々の生活で慣れたものが望ましいですが,実際には症例ごとに細やかな対応が必要です。一般的には肉などの咀嚼しにくいもの,パンやクッキーなどの乾燥しているもの,そして,カボチャのような粘着性が高い食物は摂取しにくいのでそのような形態を避け,なるべく均一な形態でトロミなどがあって口腔内でまとまりやすい食内容に調整することが望まれます。また,水や茶のようにサラサラした液体は誤嚥しやすいので,状態に応じてトロミ剤を付加する必要が出てきます。
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