つき指とは,指先にボールや物が当たり,指先を突いた形で受傷したけがの総称である。軽症の場合は打撲・捻挫であるが,重症の場合は骨折・脱臼・軟骨損傷や靱帯断裂・腱断裂を生ずることもあるので,比較的早期に正しい診断と適切な治療が必要である。
指の腫脹,疼痛,変形などの外傷症状から,指の外傷部位と損傷状態を診察する。どのようにけがをしたのか,受傷機転を詳細に聞くことも大切である。疼痛が少ないと軽症と判断され,骨折や腱断裂などが見逃されることもあるので,注意を要する。
X線撮影は,骨折の有無を確認するために必要な検査である。小児の場合は骨端離開の形になることも多い。軟骨損傷が疑われる場合は超音波やMRIを行う。
応急処置としては一般的なRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)を行う。指全体をアルフェンスシーネ(アルミ製副子)や熱可塑性固定材料で固定する。
保存療法:打撲,捻挫,腱断裂(腱性槌指)の新鮮例(約3週以内),転位がない(あるいは少ない)骨折,中等度までの靱帯断裂が適応となる。
手術療法:骨片の転位が明らかな骨折,軟骨損傷,腱断裂(腱性槌指)の陳旧例(約4週以降),不安定性が強い靱帯断裂が適応となる。
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