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性器クラミジア感染症[私の治療]

No.5159 (2023年03月11日発行) P.43

荒川創一 (三田市民病院院長)

古林敬一 (そねざき古林診療所所長)

登録日: 2023-03-10

最終更新日: 2023-03-08

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  • 病原体であるクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis:CT)が性感染症として伝播するもので,尿道炎(男女),精巣上体炎,子宮頸管炎,骨盤腹膜炎(女性)等の病態がある。無症候のままパートナーに感染させることも少なくない。

    ▶診断のポイント

    【尿道炎】

    無症状のことも多く,有症状でも尿道の不快感・瘙痒感程度である。尿道分泌物スメアのグラム染色で白血球を検出するが,淋菌(Neisseria gonorrhoeae:NG)を認めない非淋菌性尿道炎では,CT感染が最も多い。一般医家では,初尿沈渣で白血球を認めることで尿道炎と診断する。女性では子宮頸管炎との合併が多い。

    【精巣上体炎】

    陰囊内容の腫大と圧痛を主訴とする。高熱は稀で微熱または平熱である。陰囊内触診で,精巣上体尾部に限局する腫大と圧痛を認める。

    【子宮頸管炎】

    尿道炎よりなお無症候が多い(あっても軽い帯下程度)。陰部瘙痒感のみを訴える場合がある。

    【骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease:PID)】

    子宮,卵管をCTが上行し,骨盤腹膜炎で発症する。発熱,腹痛などの症状により,急性腹症として救急外来を受診することもある。

    【病原体同定】

    いずれの病態でも,分泌物や尿の核酸増幅法検査でCTを証明する。女性でも内診ができない状況では,検体は初尿を用いる。PIDでは例外的に血中クラミジア抗体を参考とする場合がある。

    核酸増幅法検査はCTおよびNGを同時に検出するシステムがほとんどであるので,同時検査でオーダーする。

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