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汗をかいた状態の臭いはどのような菌によるものか?

No.4819 (2016年09月03日発行) P.63

宮本真由美 (東京医科大学附属病院皮膚科)

登録日: 2016-10-19

最終更新日: 2016-10-24

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  • 夏に汗をかいた状態で長時間腕時計をした後の皮膚や,1日中靴下を履いた後の足などでは,かなり嫌な臭いがしますが,どのような菌が増えているのですか。嫌気性菌が主でしょうか。菌を増やさず臭わなくする方法はありますか。

    (質問者:東京都 F)


    【回答】

    足の臭いの原因は,繁殖したコリネバクテリウム属(Corynebacterium sp)などの細菌によって,汗中の皮脂や角質中のロイシンが分解され,イソ吉草酸が産生されるためと考えられています。イソ吉草酸は特定悪臭物質のひとつであり,臭いの強さはイソ吉草酸の濃度に依存します。

    コリネバクテリウム属はグラム陽性桿菌で,100種類以上存在します。腋窩,足底,趾間に存在する皮膚常在菌で,腋臭症の原因菌とされています。ポルフィリンを産生し,UVA(ultraviolet-A)照射下でピンク色に発色します(図1)。



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