社会保障審議会医療保険部会は3月23日、レセプトオンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ案を了承した。オンライン資格確認を導入済みのすべての施設において、24年9月末までにオンライン請求への移行を完了させることを目指す。
ロードマップの作成は、政府の「規制改革実施計画」(22年6月閣議決定)の内容を踏まえたもの。現在、医療機関・薬局の約70%はオンライン請求に対応しており、光ディスク等で請求している施設は約27%、紙レセプト請求は約3.5%となっている。
このうち光ディスク等請求施設は、オンライン資格確認導入の義務化対象施設でもあり、義務化に合わせてオンライン請求に移行しやすい環境の整備が図られる。たとえば23年4月〜12月までの9カ月限定で実施される診療報酬上の特例では、オンライン資格確認導入済施設の初・再診時の評価である「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の施設基準を緩和。本来はオンライン請求の実施が必須だが、23年12月末までにオンライン請求を開始する旨の届出を行えば、当該加算の算定を認める措置が講じられる。また、オンライン資格確認導入のために敷設される回線は、オンライン請求にも利用できる。
このためロードマップでは、光ディスク等請求施設について、「24年9月末までに、原則オンライン請求に移行する」と明記。光ディスク等請求の新規適用はこれに先立って24年3月末で終了する。やむを得ない理由で期限後も光ディスク等請求を続ける施設については、届出と移行計画の提出を条件に1年単位で経過的取り扱いを更新する仕組みを導入。これらの施策を通じて、24年9月末までにすべてのオンライン資格確認導入済み施設がオンライン請求に移行することを目標に掲げた。
紙レセプト請求施設にも無理のない範囲での移行を促すこととし、手書きレセプトによる請求の新規適用は24年3月末で終了(高齢医師等に関する取扱いは既に新規適用不可)。高齢医師等の適用施設も含め、同年4月以降も紙レセプト請求を続ける施設には、改めて当初の要件を満たしている旨の届出の提出を求める。
厚生労働省は23年度中に関係省令を改正。対象施設への周知広報に注力する考えだ。