マイナンバーカードを巡るトラブルが相次ぎ、来年秋の健康保険証廃止に不安が高まっている問題について、岸田文雄首相は8月4日の記者会見で、「国民の皆さまに不安を招いていることにおわび申し上げる」と陳謝した。その上で、国民の信頼回復のため①個別データの総点検、②再発防止の徹底、③マイナ保険証への不安払拭―に取り組むと強調した。
廃止時期の延長はあり得るのかとの質問に対して岸田首相は、「見直しありきではない」と断ったものの、点検の結果、「さらなる期間が必要と判断される場合には、廃止の時期の見直しも含め、適切に対応する」と述べ、改めて判断することに含みを持たせた。
マイナンバーカードを持たない加入者に交付する資格確認書については、「有効期間を5年を超えない期間で各保険者が決める」とし、従来の「1年を上限」から改める考えを表明した。厚生労働省によると、資格確認書の交付は申請によらずマイナ保険証を有していない加入者全員に行い、更新も認めるという。