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胆石発作と溶血性貧血(今井裕一)[プラタナス]

No.5186 (2023年09月16日発行) P.3

今井裕一 (多治見市民病院病院長・愛知医科大学名誉教授)

登録日: 2023-09-16

最終更新日: 2023-09-15

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  • 30年前、私は秋田市から山形県酒田市まで週1回外来診療に通っていた。

    そこに60歳男性が腹痛を訴えて受診してきた。原因は胆石症であったが、貧血もあり脾臓が腫れている。検査結果は溶血性貧血を示していた。末梢血液像では楕円赤血球のようであった。家族歴を再度聴取すると意外な事実が判明した。「私は漁師をしていて40代の頃に、北洋でソ連に拿捕されて、3年間抑留されていました。その間に6歳下の妹が、貧血と脾臓破裂で亡くなっていたのです」。

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