前回の「イギリス編」では書き忘れましたが、日本医師会の調査では、3カ国とも研究機関・研究者、医師会・保険医団体・プライマリケア医団体の担当者にインタビュー調査をするとともに、コロナ診療に携わった病院・診療所(医師)の訪問調査も行いました。
ドイツのコロナ対応が他のヨーロッパ諸国と比較して高く評価されていることは、日本でもいろいろ報道されています。今回の調査でも、インタビューした組織・医師等がそのことを誇りにしていました。以下、診療所(家庭医。一般医もほぼ同義)に限定して述べます。
大半の診療所はコロナ感染第1波から、コロナ患者の診療を行いました。それに不可欠なPCR検査体制も、迅速に整備されました。ただし、初期には電話診療またはオンライン診療が中心でした。診療所がコロナ患者の90~95%に対応した結果、イギリスやフランスのようなコロナ患者の病院への集中による病床逼迫を防げました。