中央社会保険医療協議会は10月18日の総会で、訪問看護ステーション(訪看)におけるオンライン資格確認(オン資)の導入を2024年秋から義務化することを承認する答申を行った。併せて、オン資の用途拡大に伴う対応についても答申した。いずれも11日の前回総会で武見敬三厚生労働相から諮問を受けていた。
訪看では24年6月からレセプトのオンライン請求とオン資が開始される(適用は翌月請求分から)。その後、健康保険証の廃止に合わせる形で、24年秋から両者の実施を義務化する。その際、オン資については、やむを得ない事情で対応が間に合わない事業所を対象に期限付きの経過措置を設定するとともに、医療情報化支援基金による導入費用の支援(上限42.9万円)を行う。
オン資の用途拡大への対応では、訪問診療等(訪問看護などを含む)で、医療従事者が持参したモバイル端末でマイナ保険証を読み取って資格確認と薬剤情報等の適用に関する患者同意を取得する場合(居宅同意取得型)について、2回目以降の訪問時の手続きを簡素化する。具体的には、一定期間継続した訪問実績(3カ月以上を想定)があることを要件に、23年12月1日以降に実装予定の再照会機能を活用した資格確認や初回訪問時の同意に基づく情報の取得を可能にする。このため療養担当規則を改正し、2回目以降の訪問における再照会機能を用いた資格確認を正式な方法として省令に位置付ける。
ただし、同じ居宅同意取得型の対象であっても、患者のなりすましリスクがあるオンライン診療(資格確認と同意取得に患者のモバイル端末やパソコンを使用)と継続的な訪問を行わない往診については、診療の都度、資格確認と情報提供に関する同意取得の実施を求める。
居宅同意取得型のオン資導入のためにモバイル端末を購入したり(訪問診療の場合)、医療機関がレセコンの改修を行う場合を対象にした財政支援も行う。補助限度額は、①訪問診療等の場合/病院41.1万円、診療所12.8万円、②オンライン診療の場合/病院39万円、診療所9.7万円―とする。
レセプトのオンライン請求の推進に向け、請求命令(省令)と療養担当規則の改正も行う。これにより現在、紙レセプトでの請求が認められている医療機関や薬局が24年4月以降も紙レセプト請求を続け、オン資導入義務化対象外の適用を受けようとする場合には、改めて当初の要件を満たしている旨の届出が必要になる。