中央社会保険医療協議会は11月10日、かかりつけ医機能などについて議論した。厚生労働省が「地域包括診療加算」、「生活習慣病管理料」、「外来管理加算」といった、かかりつけ医機能関連報酬の併算定関係の整理を提案したことを受けて、支払側は「外来管理加算」の廃止を主張。診療側は「暴論だ」と激しく反発した。
厚労省はこの日、(1)サービス担当者会議への参加など、主治医と介護支援専門員双方向のコミュニケーションを促す方策、(2)文書交付等で患者への適切な説明を推進するための方策、(3)「特定疾患療養管理料」における生活習慣病の療養指導に関する診療報酬上の評価、(4)かかりつけ医機能関連報酬の併算定関係の整理―などを論点として提示した。
このうち(2)は改正医療法の施行で2025年4月から、かかりつけ医機能を有する医療機関において書面交付等による説明が努力義務化されるのを見据えた提案。
(3)では「生活習慣病管理料」の算定が低調な中、生活習慣病患者における「特定疾患療養管理料」の算定割合が高いことが問題視されている。厚労省は、「特定疾患療養管理料」算定施設の3〜4割が「時間外対応加算」や在支診等の届出をしていないことなどから、「かかりつけ医機能が高いとはいえない」と指摘。かかりつけ医機能を持つ医療機関の評価として「特定疾患療養管理料」は適切ではないと示唆した。
(4)では、「地域包括診療加算」の算定における「特定疾患療養管理料」の併算定や、「生活習慣病管理料」の算定における「外来管理加算」の算定が約9割に及ぶことを示し、併算定ルールについての検討を促した。
議論で支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「地域包括診療料・加算」におけるサービス担当者会議への参加の要件化や、書面交付等による説明の義務化を提言。併算定関係の整理では「外来管理加算」は算定要件があいまいすぎるとして、廃止を求めた。
診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は支払側の意見に反対姿勢を表明。特に「外来管理加算」の廃止については、「暴論だ。絶対容認できない」と憤りを示した。また併算定ルールに関しては、医師が医療機関の体制や患者の状態等に応じて最適な報酬を選択する現行制度は優れていると述べ、見直しに異議を唱えた。