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特集:コロナ流行後のインフルエンザを含む発熱患者への対応

No.5197 (2023年12月02日発行) P.18

濵 武継 (はまこどもクリニック院長)

登録日: 2023-12-01

最終更新日: 2023-11-28

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2004年鳥取大学医学部卒業。和歌山県立医科大学附属病院,University of Tennessee Health Science Center,泉大津市立病院を経て,21年より現職。

1 コロナ流行後の感染対策と検査のニーズの変化

・患者が来院する前に,患者の訴えを把握する。
・感染症リスクの高い患者が来院したら,空間的隔離とトリアージをする。

・医師による診察
・検査をどうするかは,保護者と相談が必要
①コロナ流行後,検査に敏感になった患者が増えている
 ➡検査希望の二極化
②陰性確認の検査を要求されたときにどうするか?
③鼻咽頭拭い液の検体採取は困難になった

2 コロナ流行後のインフルエンザに対する考え方

・インフルエンザは,小児では重要な疾患
・インフルエンザの検査方法は?
・新しく保険適用になったAI新医療機器nodoca
・当院でのインフルエンザ診療の実際
・未来のインフルエンザ診療
 ➡遺伝子検査で診断・治療の幅が広がる?
 ➡診察後の患者の感染対策は?
 ➡検査キットの市販化で何が変わる?

はじめに

本稿では,まず,新型コロナウイルス感染症(以下,コロナ)の流行によって「感染症に対する考え方がどのように変わったのか」について,次に「コロナの流行後,インフルエンザに対してどう取り組むべきか」について,考えてみます。

1 コロナ流行後の感染対策と検査のニーズの変化

コロナの流行後,換気やマスク着用などの感染症対策がより身近なものになりました。医療機関としては,患者の診療はもちろん,自分自身やスタッフ,他の患者などに,感染症が広がらないように対策することが大切です。

(1)患者が来院する前に─感染対策その1「患者の訴えを知る」

多くの場合,「何らかの感染症かもしれない」と医療機関を受診する患者は,「自分は“インフルエンザ”にかかっていると思うのです」という主訴で来院することはありません。熱や咳,だるいなど,一般的なかぜと同様の症状を訴えることと思います。

「患者の主訴は何か?」を把握することは大切です。なぜなら,医療従事者側も,「発熱があるならコロナかもしれない」「下痢があるならノロウイルスかもしれない」と,診断の予想を立て,必要な診療道具や知識の準備をした上で診療できるからです。

そして,「受診目的(主訴)が何か」を把握するのは,患者が来院してからではなく,患者が来院する前に,が理想的です。なぜなら,この予想される情報を,感染対策に利用できるからです。たとえば,発熱を主訴に来院する予定の患者に対して,あらかじめ医療機関に「発熱があること」を連絡してほしいとお願いしておくのです。こうすることで,実際に患者が来院したときに,医療機関側は,速やかに患者を別室に誘導することができます。

あらかじめ情報を入手する方法は,もし医療機関がオンライン予約やオンライン問診を採用している場合,電話よりもオンラインで入力してもらう方法がよいと思います。電話は,緊急時のために取っておきたいからです。当院では,「重症患者を他院へ紹介したいのに,電話がかかってきてばかりで,こちらから二次病院に電話をかけるタイミングがない。また,たとえ二次病院に電話がつながったとしても,かかってくる電話が多すぎて,折り返しの電話を受けられない」というトラブルが何回も起こりました。ほかにも,「電話がつながらない」というクレームのもとにもなります。「患者が,受診したい時間の予約を取る。その際,受診目的をオンラインで入力してもらう」というのが良い方法だと思います。

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