1カ月半前に心房細動(AF)に対するカテーテルアブレーションを施行した。1カ月前から霧視,手足の瘙痒感・むくみ感,口渇,めまい感が出現し,通院中の循環器内科や近医耳鼻咽喉科と眼科を受診するも原因不明であった。口渇とめまい感は改善傾向だったが症状が持続するため,精査目的に当科を紹介受診した。
最も強い症状は両眼の霧視であり,視野障害や複視はない。
既往は心不全,メニエール病。内服薬はビソプロロール,サクビトリルバルサルタン,エドキサバン,べプリジル,ジゴキシン。飲酒・喫煙歴はない。
身体診察では,体温36.6℃,脈拍85回/分(整),血圧123/85mmHg。神経学的所見を含め,眼や手足に特記所見を認めない。
一般血液・生化学検査は正常範囲。血中ジゴキシン濃度は1.0(基準値:0.8〜2.0)ng/mL。12誘導心電図を示す(図1)。