2024年度診療報酬改定では、生活習慣病の計画的な治療管理の評価を「生活習慣病管理料」に集約する見直しが行われる。その際、現行の「生活習慣病管理料」(見直し後は「管理料(Ⅰ)」)は40点の引き上げを実施。検査等を出来高算定できる「管理料(Ⅱ)」(333点)も新設する。
改定後の「生活習慣病管理料(Ⅰ)」の評価は、①主病が脂質異常症=610点(現行570点)、②同高血圧症=660点(620点)、③同糖尿病=760点(720点)―と40点ずつ引き上げる。手続きが煩雑すぎるなどと批判のあった算定要件は、少なくとも月1回以上の治療管理を求める規定の廃止や療養計画書の簡素化など、緩和の方向で見直し、算定の促進を図る。
新設の「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は、診療所と許可病床数200床未満の病院において、脂質異常症、高血圧症、糖尿病を主病とする患者に対して患者の同意を得て治療計画を策定し、計画に基づく総合的な治療管理を行った場合に月1回に限り、一律333点を算定する。検査等を出来高算定できる点が(Ⅰ)との大きな違い。オンラインでの実施も認め、その場合は290点を算定する。「血糖自己測定指導加算」(500点)や、「外来データ提出加算」(50点)も設定する。
「生活習慣病管理料(Ⅰ)、(Ⅱ)」とも、「外来管理加算」との併算定はできない扱いとし、「特定疾患療養管理料」は対象疾患から糖尿病、脂質異常症、高血圧を除外する。
一方、かかりつけ医機能の評価では、「再診料」の「地域包括診療加算」等を3点ずつ引き上げ、①地域包括診療加算1=28点、②同加算2=21点、③認知症地域包括診療加算1=38点、④同加算2=31点―とする。「地域包括診療料」と「認知症地域包括診療料」の点数は据え置きとなった。
「時間外対応加算」は、電話相談等の体制に関する要件を緩和した評価(新加算2=4点)を新設する。「加算1」等では常勤職員による対応体制の整備が求められるが、新設の「加算2」は、①当該診療所の非常勤の医師、看護職員、または事務職員等が常時対応できる体制、②必要に応じて診療録を閲覧できる体制や、やむを得ない事由で問い合わせに応じることができなかった場合に速やかに患者にコールバックできる体制―を整備することで算定できる。