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膵神経内分泌腫瘍(PNEN)に対する超音波内視鏡ガイド下治療の有用性と適応について

No.5210 (2024年03月02日発行) P.44

向井俊太郎 (東京医科大学消化器内科准教授)

松本和幸 (岡山大学病院消化器内科)

登録日: 2024-03-04

最終更新日: 2024-02-27

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  • 膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine neoplasm:PNEN)に対する超音波内視鏡ガイド下治療の有用性と適応について,岡山大学病院・松本和幸先生にご解説をお願いします。

    【質問者】向井俊太郎 東京医科大学消化器内科准教授


    【回答】

    【小径かつ低悪性度腫瘍が適応で,短期成績は良好であるが長期成績は不明である】

    PNENに対する超音波内視鏡ガイド下治療はエタノール注入療法(endoscopic ultrasonography-guided ethanol injection:EUS-EI)とラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:EUS-RFA)に大別されます。

    非機能性PNENの治療適応については,海外では腫瘍径3cmまでの低悪性度とする報告が多いですが1),EUSガイド下治療は局所治療であり,リンパ節転移の可能性が低い症例に実施すべきと考えています。Hashimら2)はPNEN切除136例で腫瘍径別のリンパ節転移率を検討しており,腫瘍径≦10mm:12%,11~15mm:14%,16~20 mm:40%と報告しています。国内からの切除371例の報告3)では,腫瘍径<10mm:0%(0/66),10~20mm未満:2.4%(3/127),20~30mm未満:11.4%(8/70)とされ,根治をめざす上では腫瘍径20mm程度までが妥当と考えます。なお,同報告ではGrade(G)別のリンパ節転移率も報告されており,G1:4.8%(12/248),G2:20.9%(24/115)とされ,G1が治療適応と考えます。

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