ブリストル・マイヤーズ スクイブは2月26日、中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する新規作用機序を有する治療薬オザニモドについて、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
日本における潰瘍性大腸炎の総患者数は18万4000人と推計されている(2020年)。軽症から中等症の患者のほとんどは初回治療で寛解を得ることができる一方、多くが再燃を繰り返し、より重症で薬剤抵抗性へと進行する。同社は「重症化を防ぐ高い有効性と良好な安全性プロファイルを有する、長期使用が可能な利便性の高い経口治療薬が望まれている」と開発の意義を強調している。
オザニモドは、1日1回経口のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節剤。リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害するとされている。
今回の申請は、経口アミノサリチル酸製剤またはコルチコステロイドの投与歴がある日本人の中等症または重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第2/3相試験(RPC01-3013試験=J-True North試験)の結果に基づく。同剤は「Zeposia」の製品名で、再発型多発性硬化症の成人患者および中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の患者に対する治療薬として、多くの国で承認されている。
オザニモドの作用機序
S1P受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用。リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害する