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にわか歴史フリーク [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(81)]

No.4786 (2016年01月16日発行) P.71

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-30

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  • 世の中は歴史ブームらしい。だからというわけではないのだが、昨年読んだ164冊のうち20〜30冊が歴史本だった。新たな発掘や解析法の進歩により、どんどん新しいことがわかってきている。『人間・始皇帝』(岩波新書)を読んで、そのことを実感した。古井戸の中から出てきた当時の竹簡の解読により新情報がもたらされると同時に、始皇帝陵の科学的解析が進んでいる。

    天正少年使節とその時代をめぐる『クアトロ・ラガッツィ』(集英社)は、敬愛する驚異の読書家、ライフネット生命の出口治明会長イチオシだけあって、すこぶる面白かった。そこへ持ってきて、大好きな星野博美がキリシタン弾圧を描いた『みんな彗星を見ていた』(文藝春秋)も読んだ。我ながら浅はかなことではあるが、それだけで、いきなり当時のキリシタンのことを理解したような気になってしまっている。

    『イスラームから見た「世界史」』(紀伊國屋書店)は勉強になった。こういう見方もあるのかと目から鱗。ここでも、西洋社会との考え方の違いやISの歴史的背景がわかったような気がしてしまう自分が怖い。

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