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壊疽性膿皮症[私の治療]

No.5215 (2024年04月06日発行) P.45

山中恵一 (三重大学医学部皮膚科教授)

登録日: 2024-04-06

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  • 壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)は,増殖性,壊疽性の深い蚕食性潰瘍が下腿伸側や体幹に生じ,長期にわたり再燃する疾患である。活性化好中球が発症機序として重要な役割を果たす,非感染性の炎症性疾患である。潰瘍型が最も多く,急速に遠心性に拡大し深掘れ状の潰瘍となる。軽微な外傷後や手術創部が発症の誘因になり,pathergy(パテルギー)と表現され,25~50%の症例でみられる。経過中,二次的に細菌が検出されることが多い。多くは強い疼痛を伴う1)

    ▶診断のポイント

    難治性の深い蚕食性潰瘍が臨床像である。約半数で潰瘍性大腸炎やクローン病,関節リウマチ等の基礎疾患を合併する。組織学的には真皮に好中球主体の炎症細胞浸潤や単核球浸潤がみられるが,疾患特異性はなく,主にその臨床的特徴と,感染症,リウマチ性血管炎,循環障害やうっ滞性皮膚炎による潰瘍の除外診断から,診断確定をすることが多い1)

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