厚生労働省は地域医療連携推進法人制度に関するQ&Aの第2版を作成し、3月29日付で都道府県に事務連絡した。改正医療法の施行で2024年4月1日から地域医療連携推進法人に個人立の医療機関や介護事業所等が参加できる類型が新設されるのを受け、既存のQ&Aに関連する記載を追加した。
新設の類型は、従来型の連携推進法人では認められていない、個人立の医療機関等の参加が可能となった点が大きな特徴。個人立も含めた医療機関間の病床の融通や人事交流が容易になることから、地域医療構想の推進や地域の診療所などが連携してかかりつけ医機能を担う際の基盤構築への活用が期待されている。ただし、個人立医療機関は個人用資産と医療資産の分離が難しいことから、「カネの融通(出資・貸付)」は不可とされた。
Q&Aは、参加法人等が重要事項を決定する際には連携推進法人に意見を求めなければならないとする規定について、新類型に対応した記載を追加。連携推進法人の定款に参加法人等が病院等に関する業務を行うのに必要な資金を調達するための支援としての資金の貸付、債務の保証や基金を引き受ける者の募集、出資を行わない旨を定めている場合(新類型に該当する場合)は、連携推進法人に意見を求めなければならない事項から、①予算の決定または変更、②借入金の借入れ、③定款または寄附行為の変更―を除外できることを示した。
新類型の連携推進法人は、公認会計士や監査法人による外部監査が原則不要とされている。Q&Aも、定款に参加法人等が病院等に関する業務を行うのに必要な資金を調達するための支援として資金の貸付、債務の保証や基金を引き受ける者の募集、出資を行わない旨を定めている場合は、外部監査が不要であることを明記した。
ただし、例外的取り扱いとして、新類型であっても、①最終会計年度の貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円以上、②最終会計年度の損益計算書の事業収益の部に計上した額の合計額が70億円以上―のいずれかに該当する場合は、外部監査を受けなければならないことを併せて示した。