厚生労働省は4月12日、2024年度診療報酬改定の「疑義解釈資料(その2)」を地方厚生局などに事務連絡した。この中で改定が施行される24年6月診療分の施設基準の地方厚生局等への届出について、可能な限り5月17日までの届出に努めるよう要請した。届出期間は5月2日〜6月3日だが、5月下旬以降は届出の集中による窓口の混雑が予想されるため。なお、電子申請で届け出る場合の受付開始日は5月20日となっている。
疑義解釈ではまた、外来医療について、新設の「医療DX推進体制整備加算」は届出時点で電子カルテ共有サービスや電子処方箋を未導入、あるいは導入予定が不明の場合であっても、経過措置期間中(電子処方箋は25年3月末まで、電子カルテは同年9月末まで)は加算の算定が可能であることを改めて明記した。
現行の「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を見直して新設する「医療情報取得加算」は、初診時の評価(加算1、2)と再診時の評価(加算3、4)の関係性などを整理。具体的には、①同一月内の「加算1、2」と「加算3、4」の算定、②同一月に同一の患者について他の疾患で「初診料」を2回算定した場合の「加算1、2」の2回目の算定、③「加算3」を算定した患者での3カ月以内の「加算4」の算定、または「加算4」を算定した患者での3カ月以内の「加算3」の算定―は、いずれも不可であることを示した。
「外来感染対策向上加算」では、施設基準の自院の受診歴の有無を問わず広く発熱患者等を受け入れる旨の公表方法について解説。医療機関ホームページでの公表を想定したものだが、たとえば自治体、地域医師会等のホームページや広報誌に掲載されている場合などについては、別に医療機関ホームページで公表する必要はないとした。
医療関係職種の賃上げ対応では、「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)」(「同評価料(Ⅰ)」を算定しても賃金増率が1.2%に満たない無床診療所が算定対象)や「入院ベースアップ評価料」を取り上げている。対象職員が常勤換算で2人以上勤務との施設基準について、職員が育児や家族介護のために時短勤務を行っている場合であっても、週30時間以上の勤務実態があれば常勤とみなして差し支えないとの取り扱いを示した。