C型肝炎は,HCV(hepatitis C virus)の持続感染によって惹起される慢性肝疾患である。現在はインターフェロン(interferon:IFN)を使用しない(IFN-free)直接型抗ウイルス薬(direct acting antivirals:DAAs)による治療が確立され,ほぼすべての症例でウイルス排除が可能な時代となっている。治療方針決定には,感染の有無,背景肝(慢性肝炎か代償性肝硬変か非代償性肝硬変か)の評価,前治療の有無等の確認が必要となる。
HCV抗体を測定し,陽性時はHCV-RNAを測定する。HCV-RNA陽性時にはセロタイプを検査する。セロタイプが判定不能時には極力ゲノタイプ測定を行う。
C型肝炎治療薬の選択は,背景肝・肝予備能によって異なってくる。そのため,血小板数やFIB-4 index等の線維化マーカー,腹部超音波検査を主体とした画像検査において,肝硬変か否かを総合的に判断する。さらに,肝硬変の場合には,Child-Pugh分類Aあるいは,黄疸,腹水,肝性脳症,胃・食道静脈瘤等の肝不全症状がない代償性肝硬変か,Child-Pugh分類B,Cあるいは,肝不全症状がある非代償性肝硬変かを評価する。
肝疾患以外の合併疾患による予後が不良である場合を除いて,抗ウイルス治療の適応であり,肝機能が正常であっても抗ウイルス治療が推奨される。薬剤は高額なため医療費助成手続きを勧める(都道府県ごとで申請可能な医師の条件が異なる)。
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