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C型肝炎[私の治療]

No.5220 (2024年05月11日発行) P.37

大原正嗣 (北海道大学病院消化器内科)

須田剛生 (北海道大学大学院医学研究院内科学講座消化器内科学教室講師)

坂本直哉 (北海道大学大学院医学研究院内科学講座消化器内科学教室教授)

登録日: 2024-05-09

最終更新日: 2024-05-07

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  • C型肝炎は,HCV(hepatitis C virus)の持続感染によって惹起される慢性肝疾患である。現在はインターフェロン(interferon:IFN)を使用しない(IFN-free)直接型抗ウイルス薬(direct acting antivirals:DAAs)による治療が確立され,ほぼすべての症例でウイルス排除が可能な時代となっている。治療方針決定には,感染の有無,背景肝(慢性肝炎か代償性肝硬変か非代償性肝硬変か)の評価,前治療の有無等の確認が必要となる。

    ▶診断のポイント

    【感染の有無】

    HCV抗体を測定し,陽性時はHCV-RNAを測定する。HCV-RNA陽性時にはセロタイプを検査する。セロタイプが判定不能時には極力ゲノタイプ測定を行う。

    【背景肝・肝予備能の評価】

    C型肝炎治療薬の選択は,背景肝・肝予備能によって異なってくる。そのため,血小板数やFIB-4 index等の線維化マーカー,腹部超音波検査を主体とした画像検査において,肝硬変か否かを総合的に判断する。さらに,肝硬変の場合には,Child-Pugh分類Aあるいは,黄疸,腹水,肝性脳症,胃・食道静脈瘤等の肝不全症状がない代償性肝硬変か,Child-Pugh分類B,Cあるいは,肝不全症状がある非代償性肝硬変かを評価する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    肝疾患以外の合併疾患による予後が不良である場合を除いて,抗ウイルス治療の適応であり,肝機能が正常であっても抗ウイルス治療が推奨される。薬剤は高額なため医療費助成手続きを勧める(都道府県ごとで申請可能な医師の条件が異なる)。

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