日本救急医学会、日本集中治療医学会、日本循環器学会は4日、3学会が合同で策定した『救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン~3学会からの提言』を公表した。3学会は5月にガイドライン案を公表し、パブリックコメントを募集していた。今回公表されたものはその完成版。
ガイドラインでは、「救急・集中治療における終末期」を「集中治療室等で治療されている急性重症患者に対し適切な治療を尽くしても救命の見込みがないと判断される時期」と定義している。
終末期と判断した後の延命措置については、(1)患者に意思決定能力がある、あるいは事前指示がある、(2)患者の意思は確認できないが推定意思がある、(3)患者の意思が確認できず推定意思も確認できない─などの場合に分けて、医療チームがとるべき対応を提示している。
延命措置への対応は、日本救急医学会が2007年に公表した『救急医療における終末期医療に関する提言』を基本としているが、(1)は新たに追加された場面想定。その場合には、医療チームが患者の意思決定能力を慎重に評価して本人の意思を尊重することを原則とし、異論を唱える家族らの意思にも配慮しつつ同意が得られるよう適切な支援を行うとしている。