厚生労働省は5月28日、2024年度診療報酬改定で新設された「訪問看護管理療養費1、2」を6月1日から算定する場合の施設基準の届出期限について、地方厚生局などに事務連絡した。24年3月時点で訪問看護事業を実施している指定訪問看護事業所についてのみ、届出期限を7月1日までに延長する。
24年度改定では訪問看護ステーションによる月2回目以降の訪問看護ついて、評価や施設基準の見直しが行われた。具体的には、現行の「訪問看護管理療養費」(1日3000円)を「訪問看護管理療養費1」(1日3000円)と「同療養費2」(1日2500円)に分割。このうち、「療養費1」は利用者に占める同一建物居住者の割合が7割未満であって、①特掲診療料の施設基準等別表7、8に該当する患者の訪問看護で相当な実績がある、②「精神科訪問看護基本療養費」を算定する利用者のうち、GAF尺度による判定が40以下の利用者数が月5人以上―のいずれかに該当することを施設基準で求め、満たせない場合は報酬額の低い「療養費2」を算定することになった。
24年3月末時点で訪問看護事業を行っている事業所に関しては、24年9月末までの間は「療養費1」の施設基準を満たしているものとみなす経過措置が設けられている。ただし、6月1日以降の算定にあたっては経過措置の対象事業所を含むすべての事業所が、改めて届出を行う必要があり、関係者から多くの疑義が寄せられていた。
このため厚労省は経過措置対象事業所の取り扱いを見直し、7月1日までに届出を行えば、6月1日からの「療養費1、2」の算定が可能であることを事務連絡で明記。経過措置と届出の関係についても、①経過措置の適用で6月1日から9月末まで「療養費1」を算定する場合であっても7月1日までに「療養費1」の届出を行う必要がある、②経過措置対象であっても「療養費2」の届出をした場合は、経過措置期間中の「療養費1」の算定は不可となり、届出以降は「療養費2」を算定する、③経過措置終了時点で届出内容に変更がない場合は10月1日までに改めて届出を行う必要はない―などと整理した。