国立大学附属病院長会議は5日に定例会見を開き、4月に実施された消費税率8%への引上げに対する診療報酬上の補?率が6割未満の国立大病院が17病院に上り、全体(45病院)の4割に達しているとの調査結果を明らかにした。
説明した山本修一常置委員長(千葉大)は、税率引上げによる補填が十分になされていないことを問題視。会員病院の診療機器への2014年度設備投資額が計213億円と前年度(658億円)に比べ、3分の1以下の水準にとどまる予測であることも明らかにした。こうした状況を踏まえ、石黒直樹名大附属病院長は、「このままでは先進医療が売り物のはずの大学病院に行くと、古い医療機器ばかりが並んでいるということになりかねない」と強い懸念を示した。
会見ではこのほか、会員病院が実施している医療安全への取り組みについて紹介。2000年から開始した病院間での相互チェックでは、毎年訪問調査を行うことで、重点項目の達成率が年々上昇しているとして成果を強調した。
一方、群馬大附属病院で1人の医師が執刀した腹腔鏡手術に関する死亡事例が複数発生している問題について山本委員長は、「報道ベースの情報しか持っておらず、詳細が掴めていない」とコメントするにとどまった。