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完全内視鏡下脊椎手術(FESS)の現状と今後の展望について

No.5237 (2024年09月07日発行) P.52

笹森 徹 (札幌麻生脳神経外科病院機能外科センターセンター長)

秋山雅彦 (札幌禎心会病院脊椎・脊髄末梢神経センターセンター長)

登録日: 2024-09-05

最終更新日: 2024-09-03

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  • 完全内視鏡下脊椎手術(full-endoscopic spine surgery:FESS)の現状と今後の展望についてご教示下さい。札幌禎心会病院・秋山雅彦先生にご解説をお願いします。

    【質問者】笹森 徹 札幌麻生脳神経外科病院機能外科センターセンター長


    【回答】

    【FESSは今後脊椎手術の大きな割合を占める可能性がある低侵襲治療である】

    FESSは,腰椎椎間板造影検査など経皮的な後外側(Kambin安全三角)から椎間板腔へのアプローチ法を応用し,内視鏡を導入して直視下に椎間板ヘルニアを摘出する方法として始められました。その後,内視鏡など光学機器や手術機器,特に骨削除用のドリルの進化に伴い手術手技も発展し,椎間板ヘルニアのみでなく椎間孔狭窄にも応用されるようになってきました。

    椎間板ヘルニア摘出術も経椎間孔アプローチのみでなく,脊椎外科医に馴染みのある開創術と同じ椎弓間アプローチによる椎間板ヘルニアの摘出も可能となり,大部分の腰椎椎間板ヘルニアがFESSで治療可能となりました。この椎弓間アプローチによる頸椎症性神経根症の神経根を除圧する頸椎後方椎間孔拡大術にもFESSが応用されるようになりました。さらに直径10mm程度と太い内視鏡も開発され,より開創術に近いドリル・手術機器を使用する治療が可能となり,従来の内視鏡では困難であった腰部脊柱管狭窄症に対する除圧術もFESSで可能になっています。

    最近では,内視鏡手術用に経椎間孔アプローチで椎間板を摘出し椎体間ケージを挿入する機器が開発され,経皮的椎弓根スクリューとロッドを組み合わせる全内視鏡下腰椎椎体間固定術(full endoscopic lumbar interbody fusion:FELIF)も可能となりました。

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