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細菌性髄膜炎[〈琉球大学発〉時間経過でみる感染症(32)]

No.5237 (2024年09月07日発行) P.11

監修: 山本和子 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科教授)

編集: 仲村秀太 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科)

執筆: 山城朋子 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科)

執筆: 山本和子 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科教授)

登録日: 2024-09-08

最終更新日: 2024-09-04

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【背景】

細菌性髄膜炎は時に致死的で,見逃してはならない重要な感染症である。日本では年間約1500人の発症と推定されるが,本症に対するワクチンの定期接種化後,小児を中心にインフルエンザ菌b型髄膜炎および肺炎球菌髄膜炎の発症数は減少している。多い起炎菌は,新生児から3カ月までの乳児ではGBS(約40~60%)や大腸菌(約5~30%),4カ月から5歳までの乳幼児では肺炎球菌(約60%)やインフルエンザ桿菌(約10~20%),6~49歳では肺炎球菌(約60~70%)やインフルエンザ桿菌(約10%),50歳以上では肺炎球菌(約80%)である。免疫不全のある成人では,肺炎球菌を含むレンサ球菌(約40%),ブドウ球菌(約25%)が多く,緑膿菌(約5%)もみられる1)。髄膜炎菌や,肺炎球菌による髄膜炎(侵襲性髄膜炎菌・肺炎球菌感染症)は5類感染症であり,診断した医師は,7日以内に最寄りの保健所に届け出なければならない。

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