株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

腰部脊柱管狭窄症[私の治療]

No.5238 (2024年09月14日発行) P.50

大鳥精司 (千葉大学大学院医学研究院整形外科学教授)

登録日: 2024-09-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 腰部脊柱管狭窄症とは,腰椎部において,主として加齢に伴う退行性変化によって,椎間板や黄色靱帯,椎間関節といった神経組織周囲の変性やそれに伴う肥厚により神経根や馬尾が慢性的な機械的圧迫を受けている状態となり,腰痛,下肢痛,間欠跛行を示す疾患である1)

    ▶診断のポイント

    腰痛,下肢痛,間欠跛行が特徴的である。間欠跛行とは,普段は下肢にしびれがないが,歩行とともに増悪し,休息すると軽快する,を繰り返す状態を言う。単純腰椎X線や,腰椎MRIが鑑別診断に重要である。腰部脊柱管狭窄症診断サポートツールなどのツールが開発されている2)

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    程度の軽い腰部脊柱管狭窄症の場合,保存治療で軽快する場合が多い。まずは最低3カ月の保存療法を試みることを推奨する。保存療法は,温熱療法や牽引などの理学療法,歩行訓練,体幹筋力訓練などの運動療法を行う。歩行などの運動療法は,手術移行例を10~15%減少させることが可能である。痛みに対しては消炎鎮痛薬,α2δリガンド,オピオイドを,歩行障害(間欠跛行)にはプロスタグランジン(prostaglandin:PG)製剤を用いる。ブロック療法として硬膜外ブロック,選択的神経根ブロックがある。保存治療に抵抗する場合は手術も考慮する。

    残り1,364文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    長崎県五島中央病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 整形外科 1名
    勤務地: 長崎県五島市

    当院は下五島地域唯一の基幹病院として、長崎大学病院等と連携しながら、五島で完結できる医療を目指しています。
    離島内の他の医療機関では出来ない高度・専門医療や離島で不足しがちな救急医療、周産期・小児医療、精神科医療、回復期医療を提供することで“郷診郷創”(地域での受診が地域を創る)を進めています。
    共に地域医療を担っていただける医師を募集しています。

    癌などの専門的治療の他、精神・結核などの政策医療、24時間2.5次救急にも対応しています。
    3次救急患者については、遠隔画像伝送システムを利用し、本土までヘリコプター搬送して住民の命を守っています。
    また、基幹型臨床研修病院として、研修医の受け入れも行っています。

    ロケーション的には、美しい海と豊かな自然に恵まれ、四季を通じて、マリンスポーツや釣りが楽しめます。
    ショッピング等については、中型・大型のスーパーが数店舗あり、ファミリーレストラン・コンビニエンスストアもありますので、基本的に不便を感じることはないと思います。
    食に関しては、五島牛や新鮮な魚介類、季節の旬な野菜が何時でもおいしく食べることができます。
    共に五島で働きましょう。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top