厚生労働省は10月11日、2022年度の国民医療費を公表した。それによると22年度の国民医療費は46兆6967億円となり、2年連続で過去最高を更新したことが明らかになった。前年度と比べると1兆6608億円(3.7%)増加した。
人口1人当たりの国民医療費は前年度比1万4900円(4.2%)増の37万3700円。国内総生産(GDP)に対する比率は8.24%(前年度比0.11ポイント増)となった。
制度区分別の内訳は、公費負担医療給付分3兆4884億円(構成割合7.5%)、医療保険等給付分21兆1015億円(45.2%)、後期高齢者医療給付分16兆4544億円(35.2%)、患者等負担分5兆6524億円(12.1%)。財源別では、公費17兆6837億円(37.9%)、保険料23兆3506億円(50.0%)、その他5兆6625億円(12.1%)となった。その他のうちの患者負担は5兆4395億円(11.6%)だった。
診療種類別でみた国民医療費は、医科診療医療費33兆8255億円(72.4%)、歯科診療医療費3兆2275億円(6.9%)、薬局調剤医療費7兆9903億円(17.1%)、入院時食事・生活医療費7290億円(1.6%)、訪問看護医療費4633億円(1.0%)などとなった。医科診療医療費の内訳をみると、入院医療費は17兆3524億円(37.2%)、入院外医療費は16兆4731億円(35.3%)となっている。
年齢階級別の国民医療費をみると、0~14歳が2兆6359億円(5.6%)、15~44歳が5兆7317億円(12.3%)、45~64歳が10兆2140億円(21.9%)、65歳以上が28兆1151億円(60.2%)となっており、全体の6割を65歳以上が占める。人口1人当たり国民医療費は65歳未満が20万9500円、65歳以上が77万5900円だった。
医科診療医療費を主傷病による傷病分類別でみると、「循環器系の疾患」(6兆1731億円・18.2%)が最も多く、これに「新生物<腫瘍>」(4兆9692億円・14.7%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(2兆6708億円・7.9%)などが続く。年齢階級別でみると65歳未満では「新生物<腫瘍>」(1兆6544億円・13.1%)、65歳以上では「循環器系の疾患」(4兆9180億円・23.2%)がそれぞれ最多となった。