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日本住血吸虫症[〈琉球大学発〉時間経過でみる感染症(39)]

No.5249 (2024年11月30日発行) P.11

監修: 山本和子 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科教授)

編集: 仲村秀太 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科)

執筆: 山里雄飛 (琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科)

登録日: 2024-12-01

最終更新日: 2024-11-29

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【背景】

日本住血吸虫症は,1904年に発見された寄生虫である日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)による人畜共通感染症である。幼虫(セルカリア)は淡水中に存在し,経皮感染した後に大循環に入り,腸間膜静脈や門脈系血管に寄生する。成虫になると雌雄抱合し,腸間膜静脈を下行,腸管壁や泌尿生殖器に産卵する。日本では,中間宿主となるミヤイリガイの分布域である特定の地域に限り流行していたが,殺貝薬の散布や水路のコンクリート化などの撲滅運動が行われた結果,1978年以降は新規患者の報告はなく,1996年に日本での終息宣言がなされた。しかし,中国やフィリピンでは現在でも流行がみられ,患者数は2000年代の統計で約82万人,アジアにはなお推計数百万人の患者がいるとされており,アジア諸国からの輸入感染症として遭遇する可能性がある。

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