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語り継がれゆく噂(上) [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(96)]

No.4801 (2016年04月30日発行) P.76

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-26

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  • どうにも学生からの評判が悪いような気がする。講義の終わりにアンケートをとるのだが、毎年、初回には「恐ろしい先生だと先輩に聞いていたけれど、それほどでもなさそうで安心しました」というのがたくさんある。過去10年以上、同じことが繰り返されている。いったいどんな悪い噂が語り継がれてるんや…。

    先日、ある学生に「先生、去年は不出来な学生を呼びつけて土下座させたそうですね」と言われた。アホなことを。今頃そんなことをしたらアカハラで処分を受けるやろ。其の72と73(2015年11月7日号、14日号)で書いたように、「ハゲナカノ」という宛先のメールを送ってきた学生が、勝手に土下座をしただけの話である。

    火のないところに煙はたたないというから、不徳のいたすところであることを認めるのにやぶさかではない。しかし、噂というのは、真実から離れてどんどん変容していくものなのだと感心してしまう。

    びしばし留年させるという噂もある。これも誤りだ。病理学総論を教えるようになって12年になるが、留年させたのは11名。ゼロの先生もおられるから何とも言えないが、決して多い数ではない。それに、驚くほど勉強しない学生もいるのである。

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