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新ガイドラインにおける慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)の診断・治療のポイントは?

No.5250 (2024年12月07日発行) P.42

東原真奈 (東京都健康長寿医療センター脳神経内科医長)

国分則人 (獨協医科大学脳神経内科教授)

登録日: 2024-12-09

最終更新日: 2024-12-03

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  • 2021年に慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)の診療ガイドラインである「EAN/PNSガイドライン2021」が出されました。新しい診療ガイドラインにおける変更点を中心に,診断・治療のポイントについてご教示下さい。
    獨協医科大学・国分則人先生にご解説をお願いします。

    【質問者】
    東原真奈 東京都健康長寿医療センター脳神経内科医長


    【回答】

    【各病型の定義づけと診断方法が明確化された】

    2021年に欧州神経学会(European Academy of Neurology:EAN)/国際末梢神経学会(Peripheral Nerve Society:PNS)によるCI DPのマネジメントのためのガイドライン(以下,「EAN/PNSガイドライン2021」)が刊行されました。前身の欧州神経学会連合(European Federation of Neurological Society:EFNS)とPNSによる「CIDPガイドライン」が2005年に発表されてから2回目の改訂です。

    大きな変更点のひとつとして,「EAN/PNSガイドライン2021」では,CIDPの各病型を「非典型的」から「バリアント」と名称変更したことが挙げられます。小さな変更に見えますが,この変更は各病型が単に非典型的な臨床症状を呈したCIDPなのではなく,それぞれが異なる病態生理を持ったサブグループである可能性を意識したものです。また,前版の段階では未発見だったためCIDPに含まれていた自己免疫性ノドパチーは,Ranvier絞輪あるいは傍絞輪部分子に対する自己抗体が関与する疾患であることがわかり,CIDPから除外されました。CIDPは,病態生理の詳細が不明な一群としての地位をハッキリさせたことになります。

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