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多剤耐性緑膿菌感染症/薬剤耐性緑膿菌感染症[私の治療]

No.5270 (2025年04月26日発行) P.37

八木哲也 (名古屋大学大学院医学系研究科臨床感染統御学教授)

登録日: 2025-04-25

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  • 多剤耐性/薬剤耐性緑膿菌によって引き起こされる感染症で,院内肺炎(人工呼吸器関連肺炎を含む),尿路感染症,血流感染症,皮膚・軟部組織感染症が多い。

    ▶診断のポイント

    診断は,感染症の感染巣からの検体の培養・薬剤感受性検査で多剤耐性/薬剤耐性緑膿菌が検出され,それが感染症の原因菌と判断されることでなされる。わが国での「多剤耐性」の定義は,①イミペネムのMIC値が16 μg/mL以上,②アミカシンのMIC値が32μg/mL以上,③シプロフロキサシンのMIC値が4μg/mL以上を示す菌のことである。

    米国における「多剤耐性」の定義は,緑膿菌に対して感受性のある,ペニシリン系薬,セファロスポリン系薬,フルオロキノロン系薬,アミノグリコシド系薬,カルバペネム系薬のうち,3系統以上で少なくとも1つの薬剤に耐性のものとされる。中でもピペラシリン/タゾバクタム,セフタジジム,セフェピム,アズトレオナム,メロペネム,イミペネム/シラスタチン,シプロフロキサシン,レボフロキサシンすべてに耐性となる緑膿菌は“difficult to treat(治療困難な)”緑膿菌と定義されている。

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