お知らせ
大ジョッキ一杯の幸せ ［なかのとおるのええ加減でいきまっせ！（105）］
No.4810 (2016年07月02日発行) P.73
仲野 徹 （大阪大学病理学教授）
登録日： 2016-09-08
最終更新日： 2017-01-23
- コーナー： エッセイ
- なかのとおるのええ加減でいきまっせ！
夏はなんというてもビールである。まぁ、年中飲んでるんやから、季節がどうということはないのだが、それでも夏はやっぱりビール、できれば生ビールであります。
生ビールといえば、近頃は中ジョッキが主流で、大ジョッキを置いてない店も多い。けしからんことだ。中ジョッキを小刻みにオーダーしたほうがぬるいビールを飲まなくていい、とかいう賢しらな意見もある。が、そんなちっこいことを気にするようなら生ビールを頼むな！と言いたい。
だいたい、大ジョッキと中ジョッキでは幸せ感が違う。容量でいうと1.5倍くらいの差だが、生ビールによる幸せ感は、容量の自乗に比例するというドイツでの研究成果があるので、幸せ感となると2倍以上違ってくる（もちろんウソです、念のため）。
「ビールに適量はない。飲み足りないか、飲み過ぎるかのどちらかなのだ」というのは、かつてアルコール依存症であったコラムニスト小田嶋隆さんの名言だ。そうなのである。ビールは、どこで飲むのをやめるかが難しいのである。
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