中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長)が8日に開かれ、来年4月から新たな保険外併用療養として施行される「患者申出療養」の運用を巡る議論を始めた。
厚労省は患者申出療養を臨床研究の1つに位置づけ、保険収載に向けたエビデンスの集積が重要と指摘。これに対し、中川俊男委員(日医)が「治療が必要な患者の申出によって実施するのであれば、件数が増えないケースもありうる」として、制度の趣旨を踏まえた運用を求めた。
会合ではこのほか、患者の申出を起点とした実施計画の責任の所在の明確化や6週間という迅速審査の実施に伴う安全性の担保を求める声に加え、患者の意思表示が不可能な場合の制度適用の可否などについて意見が出た。中医協では、9月を目途に制度の詳細を取りまとめる予定。
このほか次期改定を巡っては、来年4月をメドに訪問診療の専門診療所を解禁するとの報道があった。塩崎恭久厚労相は10日の会見でその必要性を認める一方、「最低限守らなければいけないことが守られるかどうかを詰めていく」との考えを示した。