厚生労働省の武田俊彦大臣官房審議官(医療保険担当)が17日、都内で講演し、2016年度診療報酬改定について、「モノから技術へ、薬から食事へ」という考え方のもと、減薬に取り組む医師と薬局を評価する考えを示した。
講演の冒頭、武田氏は「骨太方針2015」に盛り込まれた“インセンティブ改革”について、「対処療法ではなく体質強化。それぞれが自律的に行動することで全体の最適化につなげたい」と狙いを説明した。その具体例として、高齢者の多剤投与について、「薬を飲めば飲むほど副作用が出る」と問題視し、「薬を減らした医師、薬局を評価できる体制に持っていきたい」との考えを表明。減薬を評価するインセンティブの設定自体は点数引上げになるものの、結果として医療費が削減され、「何より患者さんのためになる」と期待を述べた。
さらに「薬に頼るより食の支援」として、管理栄養士の活動を評価する考えも示した。