政府はゲノム医療を推進するため、「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」(座長=福井次矢聖路加国際病院長)を設置し、17日に初会合を開いた。
今後、(1)改正個人情報保護法におけるゲノム情報の取り扱い、(2)質の確保、(3)実現・発展のための社会環境整備─について検討。来年夏に報告書を取りまとめる。
●日本は欧米に出遅れ
個人のゲノム情報を調べて、効果的に疾患の診断・治療・予防を行うゲノム医療。厚労省によると、日本の取り組みは欧米に比べて出遅れている。現状では、単一の遺伝子が原因の難病や癌などでは一部実用化されているが、環境因子のほか、複数の遺伝子が原因となる生活習慣病については研究段階。
例えば米国では、薬剤関連遺伝子の情報を持つ薬剤を166種承認しており、特定の遺伝子を持った患者に生じる副作用を避けた治療薬の選択が可能。しかし日本はそうした統計が未整備だ。
この日の会合では委員から、「ゲノム医療推進のためには世界でデータを共有することが必要」「ゲノム情報の保護と活用のバランスがとれた規制を」「(ゲノム情報の取り扱いで)新法が必要では」など、ゲノム情報の活用に関する意見が多数出された。