筋萎縮性側索硬化症など8つの神経・筋疾患の歩行機能改善に昨年4月保険適用された世界初のロボット医療機器「HAL医療用下肢タイプ」。筑波大の山海嘉之教授が開発したロボットスーツHALを医療に応用するため、中島さんが神経筋難病患者用の開発を依頼。多施設共同治験の代表を務め、有効性と安全性を明らかにした。
HALは、患者が筋肉を動かそうとしたときに皮膚表面に現れる生体電位信号に基づき両下肢への動作補助を行うことで、患者が意図した動作を正しく繰り返すことができ、それにより脳のシナプスネットワークが強化され歩行運動が改善される。脳・神経系の機能を再生させる革新性から、医療の常識が変わると評される。
現在は脊髄疾患への適応拡大を目指す治験を行う。「HALを用いた“サイバニクス治療”はあらゆる年齢層の急性期、慢性期の病態、難病、さらに医薬品や幹細胞などとの複合療法も有望です」
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