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救急領域でのシミュレーション教育の最新情報

No.4780 (2015年12月05日発行) P.61

志賀 隆 (東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長)

登録日: 2015-12-05

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

救急領域でのシミュレーション教育の実際につきまして,その最新情報を東京ベイ・浦安市川医療センター・志賀 隆先生にご教示頂きたく存じます。
【質問者】
一二三 亨:香川大学医学部附属病院救命救急センター 国立病院機構災害医療センター臨床研究部客員研究員

【A】

医学の進歩にて出版される論文数は10年で倍増しています。さらに,学習者は確実に変化しています。そんな中,臨床医・医学教育者がいたずらに長時間のトレーニングを提供する,もしくは延ばすということは許されるでしょうか。臨床医が質の高い医療を提供できるのは卒後10年目から30年目程度(20年間)と言われます。そのため,臨床医・医学教育者は患者の安全を保ち,より高度・実践的な内容を卒前・卒後を問わず効率よく提供していく必要があります。その手段のひとつが,シミュレーション教育です。
(1)シミュレーション教育とは
学生・研修医がベッドサイドではパフォーマンスを発揮できないという状況に遭遇したことはないでしょうか。シミュレーション教育では,座学では経験できない教育内容(手技・コミュニケーション・知識・判断など,もしくはそれらの混合)を,現場と似た「状況」の中で提供することが可能です。その教育内容が,より効率的に効果を出すことも文献にて確認されています。
(2)シミュレーション教育の提供方法
シミュレーション教育では,模擬患者,簡単なシミュレータ,高忠実度マネキンなど多くの教育の提供手法があります。しかし,重要になるのはどのような学習者に,どのような学習目標に基づいて学習してもらうかです。学習者中心の実践的な教育は,シミュレーションセンターでの提供も可能ですし,外来や病棟へ出張して提供することもあります。一見高価なシミュレータが不可欠に思われますが,学習者中心で行えばそれほどの準備はなくとも可能です。ぜひ皆様もシミュレーション教育に参加して頂ければと存じます。

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