【Q】
予防接種について,微熱があるときでも接種を控えることが多いが,本当に控えるべきなのか。その根拠など詳しく。 (千葉県 H)【A】
予防接種法では,明らかな発熱を認める者や重篤な急性疾患に罹患している者などに関しては,接種対象外としている。「予防接種ガイドライン2013年度版」(文献1)においても,ほぼ同様のことが示されている。明らかな発熱とは,通常37.5℃以上を指しているが,乳幼児においては気候や環境の違い,授乳後などで容易に37.5~38℃程度の体温上昇を認めることがある。そのため急性疾患に罹患している際は,発熱の有無に関係なく,診察,全身状態を加味して重症度を判定し,ワクチンを接種するか延期するかを決定する必要がある。仮に,発熱を認めた上で接種した場合でも,副反応が増強することはない。American Academy of Pediatrics発行のRed Bookでは,発熱自体が予防接種の禁忌とはならず,むしろ積極的接種を勧奨している(文献2)。
1) 予防接種ガイドライン等検討委員会:予防接種ガイドライン. 2013年度版. 予防接種リサーチセンター, 2013, p17-8.
2) Larry KP, et al:Red Book. 29th ed. American Academy of pediatrics, 2012, p45-50.